力のはたらき
物体に力が加わると、その物体に次のような現象や変化が起こる。
・物体の形を変える
・物体を支える
・物体の運動の様子(速さや向き)を変える
次の力はどのようなはたらきを行うか。次の(ア)~(ウ)の内から選びなさい。
(ア)物体の形を変える (イ)物体を支える (ウ)物体の運動の様子を変える
(1)ピッチャーがボールを投げるときに、ピッチャーがボールに加える力
(2)人がかばんを持っているときに、人がかばんに加えている力
(3)本が机の上にある時に、机が本に加えている力
(4)粘土をこねているときに、人が粘土に加える力
(1)ウ (2)イ (3)イ (4)ア
力の3要素
力は、作用点、力の向き、力の大きさ の3つの要素によって決まる。また、この3要素のことを特に、力の3要素という。
作用点
力の働く場所のこと。二つの物体の間に力が働く場合には、その2物体の接点が作用点になる。摩擦力などのように、面に力が働く場合は、面上にの一点が作用点になる。(垂直抗力であれば面の中心が作用点になる。)重力などのように物体全体に力が働く場合は、物体の中心点が作用点になる。(重力であれば、物体の重心が作用点になる。)
力の向き
力が働いている方向のこと。物体が運動する方向とは異なる場合があるので注意。
力の大きさ
力の大きさのこと。単位はN(ニュートン)。静止している1 kgの物体に1秒間、一定の力を加え続けて速さが1 m/sになったときの力が1 N。
力のやじるし
力を表すときには、矢印をもちいて力の3要素を示す。また、この矢印のことを力のやじるしという。
作用点から力の向きを向いた矢印で、その矢印の長さは力の大きさに比例する。
次の図に力の矢印を書き込みなさい。ただし、1 cmで1 Nを表すものとする。
(1)青色の球に働く1 Nの重力
(2)ばねが球を引く3 Nの力
力の種類
抗力(垂直抗力)
机や地面などの面が物体を(垂直に)押し返す力。抗力は面の全体に働くが、力のやじるしを描く際には、面上の一点を作用点として扱う。(垂直抗力の場合、面の中心が作用点になる。※)
※物体の形状によっては面の中心が作用点にならないこともある。
重力
地球が地球の中心に向かって物体を引く力。重力の大きさは、物体の質量に比例し、地球上では100 gの物体に対して、約1 Nになる※。重力は物体全体に働くが、力の矢印を描く際には、物体の重心を作用点として扱う。
※重力の大きさは物体の質量と重力加速度の積で表される。
張力
糸が物体を引く力。ただし、糸が張っているときにしか力が生じず、糸が緩んでいるときには張力は生じない。また、糸の質量が無視できるとき、糸の両端にかかる張力の大きさは等しくなる。
弾性力
物体が元の形に戻ろうとする力。ばねの場合、弾性力の大きさは、ばねの伸び(縮み)に比例する(フックの法則)。
摩擦力
二つの物体の接触面でその物体の運動を妨げようとする力。
磁力
磁石の間に生じる力。磁石にはN極とS極があり、同じ極同士には斥力(反発する力)が生じ、異なる極には引力が生じる。
静電気の力
電気の間に働く力。電気にはプラスの電気とマイナスの電気があり、同じ電気同士には斥力(反発する力)が生じ、異なる電気には引力が生じる。
重さと質量
重さ
物体にかかかる重力の大きさ。単位はN(ニュートン)。同じ物体でも測定する場所によって大きさが異なる。(月で重さをはかると地球の約1/6になる。)ニュートンばかりなどで計測できる。
質量
物体そのものの量。単位はg(グラム)、kg(キログラム)。物体そのものの量なので、測定する場所に影響されない。上皿てんびんなどで計測できる。
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